ゑびな豆 大貫
ゑびな豆 大貫
Ebina Edamame - green soybeans -

枝豆の葉でお茶を作りました

2022/10/01 07:20 PM By Ebinamame

枝豆の葉のお茶は、夏の枝豆の香りとさわやかな甘さが特徴


枝豆の葉は、ご存知ですか?



2022/10の枝豆畑

以前は枝ごと束ねて枝豆が店頭に並んでいたのですが、最近は莢のみを袋詰めされていることが一般的ですので「葉」がどんな形だったか、実はあまり知られていないかもしれません。


枝豆の葉はこんな形。


枝豆の葉

枝豆の本葉はこの写真のように、三つに分岐しています。マメ科植物の特徴である葉柄や小葉などの基部にやや膨らんだ葉枕(ようちん)が枝豆にもあります。

この鮮やかな緑の葉が初夏の日差しをたくさん浴びて、豆にエネルギーを蓄えます。


この枝豆の葉は、枝豆が収穫される際に廃棄されてしまいます。

大豆として収穫する時期はほぼ枯れてしまっていますが、枝豆の時期はまだまだ力強い緑色の葉が繁っています。


これだけ生命力にあふれている葉を廃棄せずに、何かに利用できないか?と思い、種々検討の結果、葉を乾燥させてお茶にしてみました。


陰干し乾燥させた枝豆の葉。


乾燥させた枝豆の葉


乾燥させた葉は、お茶屋さんにお願いして、破砕して茶葉の形に加工しました。

またさらに粉末への加工もお願いしました。かなりの微粉末になりました。


加工後の枝豆の葉


実は、枝豆の葉は、生をかじるととても苦いのです。

しかしながらこのように乾燥させた加工品では、その苦さは、ほぼなくなっています。

これは緑茶と同様で、採取後に蒸すなどして葉の中の酵素を不活化しないと、成分が変化するのだと思います。


茶葉をティーバッグにして、お茶をいれるとこんな感じ。


ティーバッグのお茶

葉の緑からは想像できない、澄んだほうじ茶のような色のお茶になります。

ティーバッグの中の葉は青々としています。


夏の枝豆を想わせる香りと、すっきりとした甘さが特徴です。

茶葉をすこし焙煎すると、香りと甘さはさらに強くなります。




粉末はパンやうどんを作るときに小麦粉にまぜると、調理後でもあざやかな緑色を保ちつつ、特徴的な香りも残ります。


こんな発見の多い枝豆の葉ですが、実は成分にも特徴があります。

抗酸化作用を持つポリフェノールの含量が、実はとても高いのです。


乾燥させた枝豆の葉100gあたり1,700mg以上のポリフェノール(没食子酸換算)が含まれています。

お茶1杯(200ml)に20gを使用する場合、100mlあたり170 mgのポリフェノールが含まれます。

これは緑茶やコーヒーとおなじぐらいの含有量なのです1)


そしてこのポリフェノールは水溶性なので、抽出には熱水が最適です。


まだまだ知られていない、たくさんの可能性を秘めた枝豆。

美味しい豆を楽しむ以外の機能も、追及していきたいと思います。


1)Fukushima Y et al., J Agric Food Chem 2009; 57: 1253-59.


Ebinamame